有限会社宮本タイル


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夢のあと

更新日:2013年10月15日

画像:夢のあと

『夏草や 兵どもが 夢のあと・・・』

今や世界遺産となった奥州平泉で、芭蕉が奥の細道の旅の途上で詠んだ、あまりにも有名な一句ですね。

 十月ともなると、朝晩の冷え込みも増して、東北の自然は加速度的に秋へと向って行きます。

九月には、今年の猛暑の名残の様な存在であった夏草も、十月に入ると、遠い夏の忘れ物の様な気がして来るから不思議です。

 夏の建築現場・・・それは、そこに携わる者達のキラキラとした、ほとばしる汗と共に進みます。
そして、タイル施工の張り人達は夏の暑さも、ものともせずに日焼けした頼もしい腕で、現場を仕上げて行きます。

 張り人達の汗をぬぐう「タオル」は、夏の現場の進捗を一番良く知っています。
そして、張り人達の葛藤や、一時の安堵感も、すべてを知り尽くしています。

 十月に入ると、その「タオル」も、遠い夏の忘れ物の様に見えてくるから、また不思議です。

 芭蕉は、夏草を兵どもの夢のあととして、栄枯盛衰、人の夢の儚さの象徴として詠みあげていました。

張り人達の汗をぬぐった「タオル」は、頑張った夏の象徴として、秋からの現場の、夢の続きを繋いでくれるのだと思います。

 やがて、今年も雪達がやって来る事でしょう・・・。
気が付けばそこに、青森の厳しくも、愛すべき冬の訪れを感じる事でしょう。

十月・・・秋・・・兵どもの夢は、まだまだ続きます・・・。

【 多香彩 釉(たかさい ゆう)】
東北在住の、タイルをこよなく愛し、四季の移ろいの中で、風景に溶け込むタイルの美しさに魅了された謎のタイル人。